修了生の声
ペット薬膳を伝える前に学ぶべきことがわかった!講師としての土台を作った資格
奥田順子さん【5期生】
現在の仕事
「日本中医学院」で、2026年度に開講する『ペット中医薬膳講座』の講師を務める予定です。
現在は開講に向けて教材の作成をしながら、入り口となる単発レッスンや個別相談の企画・実施も担当。単発レッスンでは、薬膳の基礎、食材の使い方、韓国の花絞り技術を取り入れたペット薬膳ケーキの調理実習など、まずは「薬膳って楽しい、面白い!」と思ってもらえるように工夫を凝らしています。
日本中医学院は1991年に前身「北京中医薬大学 日本校」として設立、のちに改名。中国で医師免許を持つ講師が、中医学に基づく理論と実践の教育を行う伝統ある学校です。私は生徒として入学しましたが、のちに縁あって当校初の「ペット薬膳分野の立ち上げ」に関わることになったのです。
ペットフーディスト資格取得のきっかけ
愛犬が幼少期に重度の食物アレルギーを発症したことがきっかけでした。どのフードも合わず、与えるたびに強い痒みに襲われ、体をかきむしっては出血して…とてもつらい状況が続いていました。
そんな折、家族が病気で入院し、病院食の別メニューで「薬膳」の存在を知ったのです。病院が有料で提供するその薬膳を、私は「体調を整える1ランク上の食事」だと理解しました。「これを愛犬に与えることができたら…」と考え、日本中医学院の門をたたき、薬膳を猛勉強しはじめました。
薬膳の知識を得て、愛犬の食事調整に取り組みはじめましたが、それでも悩みや不安を抱えていました。
フード選びは、情報は得られても根拠となる知識がないので、判断できないことが多かったんです。また、手作り食に切り替えたくても、何をどのくらい、どのように与えるべきかわからない…かつ、愛犬はそもそも食に興味がなく、食欲が不安定。
「これで本当に大丈夫?」と不安が常につきまとい、自己流の対応に限界を感じていました。
中医学の知識以前に、まずは犬や猫の身体の仕組み、消化の特徴、栄養学の基礎もしっかり学びたいと思い、「ペットフーディスト」「ホリスティックケア・カウンセラー」それぞれの資格取得を決意したんです。
資格取得後の変化
まずは、愛犬に薬膳を取り入れた手作り食を日々調整し与えることで、アレルギーが落ち着き元気を取り戻すことができました。
また、ペットの健康を総合的に捉える力がついたことで、ペット薬膳の講師業に自信と説得力をもって取り組めるようになったんです。「ペットフーディスト」「ホリスティックケア・カウンセラー」でそれぞれ、犬猫の身体構造・消化の仕組み・歴史的背景から、栄養学・薬膳学・病気への対処・手作り食に至るまで幅広く体系的に学べたからこそです。
「薬膳を理解してもらうには、知識の構造・流れを知ってもらうことが重要だ」ということにも気づかされました。薬膳の前にまず身体の構造と消化の理解が必要であり、その上に栄養学、薬膳学が成り立つという順序があるからです。それは、私自身がペットフーディスト、ホリスティックケア・カウンセラーで学び、その流れを理解できたからこそでした。もし、薬膳だけ・栄養学だけという風にぶつ切りで学んでいたら気づけなかったと思います。単発レッスンや開講準備中の講座も、「身体の仕組み→栄養学→薬膳」の流れで構成しています。
さらに、個別相談では「ペットの体質や体調に合わせた食材選び」「疾患のあるペットの食事アドバイス」など、具体的かつ実用的な対応ができるようになりました。アドバイス後「体調が良くなった」「安心してごはんを作れるようになった」などの嬉しいお声をいただき、効果も実感しています。
今後の目標
開講予定の『ペット中医薬膳講座』で、さらに多くの飼い主さまやペット関連職の方々に正しい食事作りをお伝えし、知識と想いを伝承していただけるよう、しっかりとサポートしていきたいです。「食べることで体を整える」「日々のごはんが予防や改善につながる」――そんな薬膳の力を実感していただけたら嬉しく思います。