ペットの食事と仕事 豆知識

犬と猫の、成長段階(ライフステージ)ごとの栄養管理はなぜ大切?

猫_ごろん

犬や猫の食事を考える上で大切なことの一つに「個体差を考慮する」ということが挙げられます。個体によって、またその個体でもその時々により、適切な栄養バランスは違います。

私たち人間は、疲れたとき、病中病後、朝、昼、晩、10代、20代…50代など、その時々に合った食事を選んでいます。

それは、犬や猫も同じことなのです。

ただ、犬や猫は自分の体調を言葉で伝えることができないので、私たちオーナー(飼い主)が自分のパートナー(愛犬愛猫)の様子から今、何が必要かを考え、食事を選ぶ必要があります。それをオーナーが日々感じとることはとても難しいため、個体差を知るための指標がいくつかあります。「ライフステージ」はその1つです。

犬や猫のライフステージ

犬2頭かけっこ

犬猫のライフステージでは、一生における段階をそれぞれの栄養要求の違いにより、以下に大別します。


・繁殖期/授乳期
・成長期(哺乳期、離乳期、離乳後の成長期)
・維持期
・高齢期


すべての段階において「栄養バランスのとれた食事」と「適正体重の管理」が重要であることは同じですが、エネルギー要求量や必要な栄養素の割合が異なります。

各ステージでの栄養管理

それぞれのステージでの栄養管理を考えるためには、その時期に、

・どんな生理的な身体の変化があるのか?
・活動量がどれくらいか?
・生活環境はどうなっているのか?

を考えることが大切です。

 

例えば成長期。小型犬と大型犬では「成長のスピード」が違います。

成犬になるまで、小型~中型犬は約12ヶ月、大型犬や超大型犬では18ヶ月~24ヶ月を要します。また、猫は一般的には12ヶ月ですが、メイクーンやラグドールなどの大型種では成熟までに約3年かかる場合もあります。
成長のスピードが違うということは、当然エネルギーや栄養の要求量も異なります。
また、消化器官も未熟なため、消化しやすい食事を少量頻回で与える必要があります。

 

成長が止まった維持期で注意すべきは、「適正体重の管理」と「筋肉量の維持」です。避妊去勢の有無、活動量や生活環境により、必要エネルギーが変わります。

 

高齢期になると、感覚器や筋肉量、枯渇感の低下などが起こるため、それに合わせた食事を選ぶ必要があります。高齢期は一般的には7歳ころと言われていますが、「いつから」と区切るのではなく、パートナーをよく観察し、少しでも変化がみられたら食事を見直すことで、健康の維持につながります。

 

このように、ライフステージ別の食事について考えることは、犬や猫の個体差を考慮した食事を考えることにつながります。パートナーの成長に合わせた食事を選び、愛するパートナーの成長を見届けたいですね。


ペットフーディスト養成講座では、犬と猫のライフステージ別栄養管理をはじめ、栄養学やペットフード、病気の食事管理などについて詳しく学べます。

 

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