ペットの食事と仕事 豆知識
犬や猫の食事にとって大切な栄養素である「タンパク質」。今日はタンパク質のお話です。
タンパク質の役割
タンパク質には、大きく分けて2つの役割があります。
■身体を作る:
筋肉、腱、骨、爪、皮膚、被毛、各臓器、血液、ホルモン、酵素、免疫隊、遺伝子などの構成要素となります。
■エネルギー源:
糖質や脂質とともに、身体を動かし生きていくためのエネルギーとなります。
タンパク質はエネルギー源になり得ますが、体内で糖質や脂質が不足する場合、身体はタンパク質からエネルギーを供給しようとします。すると、タンパク質が身体をつくるという役割を担っているため、筋肉量が減ったり、抵抗力が低下したりということが起こってしまいます。
そうならないためにも、糖質や脂質はエネルギー源として適切に摂取することが大切になります。
タンパク質の分類
タンパク質には分類の方法がいくつかありますが、ここでは「タンパク質を供給する食材」別の分類をします。
■動物性タンパク質:肉、魚、卵、乳製品
■植物性タンパク質:野菜、豆、穀類
タンパク質の質
タンパク質は生きていくためにとても重要な役割を担っているため、体内で効率よく利用するために、できるだけ「質のよいタンパク質」を摂取する必要があります。
では、タンパク質の「質の良しあし」を評価する方法にはどういったものがあるのか、ご紹介します。
【1】アミノ酸スコア
タンパク質を構成している「アミノ酸」の中で、人や動物が体内で合成できないために食品から必ず摂取しなければいけないアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。必須アミノ酸がバランスよく含まれているタンパク質を含む食品は、「質のよいタンパク質源」だといえます。そのバランスを指数で表したものが「アミノ酸スコア」です。スコアが100に近いほど、体内でのタンパク質利用率が高くなります。
主な食材のアミノ酸スコアは以下の通りです。
※第一制限アミノ酸スコア:必須アミノ酸の中で、最も不足するアミノ酸のこと
【2】生物価
タンパク質から身体に吸収された窒素が、便や尿へ排泄されずに体内に保留される割合が高い場合、優れたタンパク質であるといえます。おもなタンパク質源の、食材ごとの生物価は以下です。
「アミノ酸スコア」「生物価」の2つの軸でタンパク質を評価すると、より質のよいタンパク質は、「動物性タンパク質」となります。
豆や穀類にもタンパク質は含まれますが、身体をつくる栄養素として効率よく摂取するなら、肉や魚などの動物性タンパク質を摂取することが有効だと言えますね。
タンパク質は、雑食寄りの肉食の犬、完全肉食の猫にとってはとても大切な栄養素となります。ただ、やみくもに摂取するのではなく、役割や効果的な摂取を考えた食事にすることでより健康的な食事にしていきましょう。
ペットフーディスト養成講座では、犬と猫の基礎栄養学やペットフード、病気の食事管理など、ペットの食事を専門的に学べます。