ペットの食事と仕事 豆知識

ペットサロンやペット用品店など、多くの犬や猫、飼い主様と接するペット関連職従事者の皆様へ。 飼い主様からこんな相談を受けたことはありませんか。
「病院で●●(病名)と診断されて療法食を与えているけど、全然食べてくれなくて…おやつやトッピングを少しあげて楽しませてあげたいけど、何か良いものはありますか?」
そこで「病院指定の療法食以外、与えないでください」とお答えする方法もありますが、愛犬・愛猫に食べる喜びを味わわせたいという飼い主様の思いにも寄り添えるといいですよね。
とはいえ、良かれと思って勧めた食材が病気を悪化させてしまったら取り返しがつきません。 病気や食事制限がある犬や猫に、プロとして「何を、どのくらい、どうやって与えると大丈夫か」を正しく判断し、アドバイスをするためのヒントを一部ご紹介します。
病気の犬猫の食事アドバイスを行う際の鉄則
◆鉄則1
「病気の内容を把握し診断すること」「診断結果をふまえて食事の方針を出すこと」は獣医師のお仕事です。獣医師以外の人が、その領域に立ち入ったり、それと異なる方針を出してはいけません。ですので、例えば「病気かも?という症状があるけど、診察を受けてないパートナー」は、診察を受けて獣医師の指示を得ていただくようにおすすめしましょう。
◆鉄則2
獣医師からの診断とその食事の方針にそって、「その方針に役立つもの」「パートナーの体質に合ったもの」をオーナーと一緒に見つけることをお手伝いをする姿勢でのぞみましょう。オーナー様から、そのアドバイス内容を担当の獣医師に報告・相談していただけるとベストです。
与えても良い食材は病気によって大きく異なる
トッピングやおやつを提案する際、「体に良さそうだから」というイメージだけで食材を勧めてはいけません。疾患ごとに、体内で処理できる栄養素の限界や負担が異なるからです。
たとえば「尿路結石症」を患い、療法食を与えている場合、食事中のミネラルバランスを崩さないことが最優先。そのため、トッピングは控えるのが原則です。ですが、どうしても与えたい場合、水分が多くてカロリーが低く、結晶の原因となるミネラルが少ない食材、たとえばレタスやすいかなどを、食事全体の量の1-2割を目安にトッピングする提案をしていただくことは可能です。一方でカルシウムやマグネシウム、リンなどを多く含む食材はNGです。
また、「心臓病」の場合、心臓に負担をかける「ナトリウム」が多く含まれている食材はNG。ナトリウムの少ない食材をおすすめしましょう。
このように、病気の原因となる栄養素や代謝の仕組みを理解していれば、安全性の高い食材を見極められるようになります。
「食べないからトッピング」の前に、病態に合わせた『給与方法の工夫』も大切
飼い主様から「療法食を食べない」と相談されたとき、いきなりトッピングという選択をする前に、まず「食べない原因」を病気の特徴と結びつけて考えてみましょう。その上で、適切な「食べる」につながる対応をアドバイスしましょう。
例えば、「腎臓病」は気持ち悪くて食べられない状態の場合があります。 このとき、トッピングを追加するよりも、まずは獣医師に相談して水和状態(脱水)を改善してもらうことが先決の場合もあります。また、家庭でも食事での水分摂取を増やす工夫をすることで、食欲が戻ることがあります。
また、「膵炎」では、強いにおいが食べることへの嫌悪感に繋がることがあります。この場合は、あえて「香りを立たせない工夫」が、食べてもらうためのサポートになることもあるのです。
いかがでしたか?
ペットフーディスト養成講座では、「食べない」「体質や病気の状態にあったフードを探したい」「ダイエットさせたい」など、飼い主さまからの多様な食事の相談に、根拠のあるアドバイスができるようになります。
また、犬猫の基礎栄養学をはじめ、消化吸収の仕組み、ライフステージや病気に合わせた食事管理、さらには薬膳に至るまで、ペットの食に関する専門知識を体系的に学ぶことができます。プロとしてスキルアップしたいとお考えの方は、ぜひご活用下さい。
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