ペットの食事と仕事 豆知識

ペットの食事相談 実例集(シニア犬の食事)

今回は、受講生・修了生限定で公開している『ペットフーディスト専用ページ』から、『ペットの食事相談実例集』コラムをご紹介します。ご参考くださいね。

 

このコーナーでは、実際にあった食事相談をご紹介していきます。実例を数多く知ることで、テキストの知識をより深めていただきたいと思います。

※ご紹介するのは、あくまでも相談例です。回答や提案内容は、その時々のパートナーや飼い主(オーナー)によっても変わります。ご自身が相談にのる時は、完全にそのまま再現しようとするのではなく、参考程度にお読みいただき、考え方や知識の使い方を理解するようにしてください。

 

CASE1:

相談内容:愛犬が10歳になりました。これからも穏やかに過ごしてほしいと思っていますが、これからの食事はどうすれば良いでしょうか?

パートナー(愛犬)情報:

 犬種:柴犬

 年齢:10歳

 性別:メス、避妊済み

 体重:9kg、BCS※:3

 健康状態:良好だが、歯が少し汚れてきている、予防接種と1回/年の健康診断している。病院は少し苦手。

 既往歴:特になし

 食事内容:シニア用ドライフードにささみや野菜をゆでたものを混ぜている。おやつは毎日色々あげている。好き嫌いは特になく、食欲も旺盛。

※ボディー・コンディション・スコア

 

オーナー(飼い主)情報:

60代のご夫婦、奥様が専業主婦で、長時間の留守番は滅多にない。

 

考えるポイント:

現在健康で、食事やケアもしっかり実践されている方でも、「もっと他に何か良いものはないか?」「これで良いのかしら?」とプロに相談されることはよくあります。そのようなオーナーには、まずは今やっていることに共感し、「素晴らしい」ということを伝えることが大切です。

 

その上で、もっとできることを一緒に考えていきます。

ポイントは、以下の2点です。

・現在は健康で、何でも食べてくれること

・10歳であること

 

これを前提とし、提案するためには、シニア期に考えられる生理作用や効果的な機能性成分を確認しておく必要があります。

 

■ シニア期に考えられる生理作用・・・(テキストVol1 P76)

・口腔内の異常

・視覚、嗅覚、聴覚の低下

・枯渇感の低下

・筋肉量の低下

 

■ シニア期の食事管理(疾患やアレルギーが無い場合):

・高品質、高消化性のタンパク質を摂取する

・不溶性食物繊維を維持期より多めに摂取する

・リン、ナトリウムの量に留意する

・水分不足に気を付ける

その他、有効と考えられている機能性成分

・n-3脂肪酸

・ビタミンE、β‐カロテン、ルテイン

・コンドロイチン硫酸、グルコサミン

・プロバイオティクス

 

提案例

これらを踏まえると、以下のような提案ができます。

 

● 急にフードを変えるのではなく、トッピングのバリエーションを改善する

10歳を超えると、急な食事変化への対応が難しい場合もあります。現在与えているフードで問題ないのであれば、フードは変えずに、トッピングでバリエーションを持たせることができます。また、食事からの水分摂取が少なくなるドライフードに食材をトッピングすることで、効果的に水分摂取をすることが可能になります。

 

トッピング例)

良質なタンパク質源として、鶏肉だけでなく、豚肉や牛肉などの肉も取り入れ、数日~数週間ごとにローテーションする

必須脂肪酸源、タンパク質源として時々魚をトッピング素材として利用する

夏は利尿作用のあるきゅうり、冬には身体を温めるかぼちゃなど、薬膳を意識した食材を選ぶ

 

また、時間がない時や調理が大変な時などは、良質な缶フードなどウエットフードをトッピングとして与えるのもよいですね。

 

● シニア期に予測される体調変化に対するサプリメントの提案

シニア向け総合サプリメントが選びやすいのでおすすめですが、中でも腸内環境、関節ケア、抗酸化作用が期待できるものがおすすめです。

その他、ハーブを使ったサプリメントなども穏やかに作用するので、シニアのパートナーにはおすすめです。

 

● 食事以外のケアの提案

食事だけでなく、マッサージなどを取り入れることを提案するのもおすすめです。定期的に行うことで、体調変化や異常にも気づきやすくなります。

 

このように、いくつかの選択肢があると、オーナーご自身が自分のできる範囲内で工夫したり改善したりすることができます。

 

シニア期の相談は、いつも以上に、カウンセリングを丁寧にし、疾患などの可能性も考えつつ、絶対コレ!ではなく、オーナーに寄り添う気持ちを忘れずに、提案していくようにしましょう。

 

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執筆者:寺井 理恵(ペットフーディスト講師/猫の手作り食を担当):
動物看護士を経て、動物病院併設のショップで、健康な犬や猫だけでなく、疾患がある犬や猫の食事のアドバイスを行う。
現在は、自由が丘動物医療センター併設の「Cure lab」で、ペットフーディストとして活躍中。

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