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2020年03月05日(木)

セミナーレポート

基礎栄養学・食事関連のトラブル  セミナーレポート(後半)

奈良なぎさ先生

「新しいフードに変えたらウンチが緩くなった。なぜだろう?」
「パッケージに書かれている給与量通りに与えているのに痩せるのはどうして?」

飼い主さんからのこういった質問に対してどのようにアドバイスするかは、Q&A集を見て知っているけど、その裏にあるロジックを実は知らない…ということってよくあることですよね。

なぜそんな回答になるのか、身体の中ってどうなっているのか?
そういったことを正しく知っておくことで、「応用」がきくようになります。

2/15に開催したペットフーディスト養成講座のスクーリング「基礎栄養学・食事関連のトラブル」では、「栄養学」に加えて、口に入った食べ物が最終的にうまく役立つには、身体のどの仕組みがどう働く必要があるのかを学べる内容でした。つまり、「何を」「どのくらい」食べて、それが身体に入った後、どのように「消化」「吸収」「代謝」「排泄」されるか、というものです。

講義担当の奈良なぎさ先生曰く、これらを学ぶことで、食事にまつわる問題が発生したときに、「どこに問題がありそうか」をさかのぼって考えることができるようになるので非常に役立つんだそうです。


今回はセミナーの後半「人、犬、猫の栄養学の違い」「食事のトラブル」の講義のポイントを一部ですがご紹介します。

※セミナー前半「消化・吸収・代謝・排泄」のレポートはこちら

人、犬、猫の栄養学の違い

■飼い主の多くは、「人」「犬」「猫」の栄養学の違いを理解せず食事を与えていることが多い。
また、人の栄養学についても、思い込みや誤解が多く、それをそのまま犬や猫に適用している場合もある。
栄養素は、その動物にとって効率よく使われるバランスで摂る必要がある。

 

■「消化」に関わる違いの1つに、「胃の拡張性の違い」がある。
犬は人より拡張性が高いため、「食べすぎ」を起こしやすく、胃捻転や肥満のリスクが高くなる。
逆に猫は拡張性が低く、食べすぎるとすぐ吐き戻す。そのせいで、「食事があっていないのでは」と勘違いする飼い主が多かったりする。
あくまで一例だが、他にも消化酵素・胃酸濃度・嗜好性などの違いを知っておく必要がある。


食事のトラブル

■成長期によくあるトラブル例として「消化器障害」や「食ムラ」があるが、これらの原因の1つは「与えすぎ」。飼い主は、パートナーの成長にしたがい、食事の量を増やしてしまいがちだが、実は必要な栄養とエネルギーは成長にしたがって減る傾向にあるため、そこにギャップが生まれてしまう。
維持期や高齢期についても、このように人の思い込みや勘違いが生む原因がトラブルにつながっているものが多くあるため、そこへの知識が必要。

 

■犬や猫は、食事の内容や体質的に、人より水分不足になる要因が多い。全ライフステージで水分不足に注意が必要。


質疑応答

一部ですが、最後の質疑応答コーナーで登場したQ&Aをご紹介します。

 


【Q】手作り食やウエットフードはドライフードより水分が多いですが、胃酸の濃度を下げて消化に影響を与えてしまったりしませんか?

【A】人の身体の70%くらいは水ですが、人の食事は70%が水分、またペット用手作り食やウエットフードの水分含有量もおよそ70%。つまり、問題ありません。


【Q】AAFCO基準は「ペットフード乾物1000kcal当たりに含まれるべき栄養素量の目安」という指標ですが、「体重別の栄養指標」はありますか?

【A】そういうものはありませんので、計算が必要となります。まずは特定の犬や猫にとって必要なエネルギー量を計算し、それにあわせて各栄養素の必要量を算出するとよいです。


【Q】生食についての先生の見解を知りたいです。

【A】生食に対しては様々な考え方がありますが、その子の身体に合っていればいい、としか言えません。
例えば自分は病気の犬や猫の食事管理をしている都合上、ガンで免疫力が弱っているときには生食を与えることで、時にネガティブな結果が出る場合があるので個体に合わせる、といったケースが思いつきますが、このように、「今の体質にどれくらいあっているか」を見ていくことが重要です。


最後に先生は、こんなまとめをされています。

「基礎栄養学、栄養学の応用を知ること。
その知識をふまえて犬や猫を観察したり、トラブルが起きた場合は原因を推測すること。
そして、進化し続ける栄養学を、継続して勉強すること。
これによって、犬や猫の健康管理に役立つ食事が与えられるのです」。


つまり学び続け、それを実生活で使うことで、その経験が新たな知識となって身につくということ。
よりよいアドバイスのために、みなさんも学びの一歩を踏み出してみませんか?

ペットフーディスト養成講座では、仕事に活きる深い食事の知識を学べます。

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