ペットの食事と仕事 豆知識
ペットフーディスト有資格者の「資格の活かし方」で多いものの1つが「ペットフードやおやつなどのレシピ開発・製造・販売」です。
単発のマルシェで販売するケースから、自分の店やオンラインショップでの通販、全国販売のための工場で製造するケースまで規模はさまざまですが、実現のためには共通で必要な知識があります。
当ページでは、どんな知識が必要か、簡単にご紹介します。
1)「レシピ組み立て」に必要な知識
たとえ「おやつ」だけの製造販売であっても、犬と猫の食事について正しい知識を持っておくに越したことはありません。なぜなら、飼い主の方は「おやつを買うこと」を考える前に「愛犬に与える食べ物をどうするか」を考えており、その一部としておやつを選ぶからです。
おやつ購入の際、飼い主様が気になること、例えば「食事を含めた栄養バランス、カロリー量」「うまく消化吸収できるものか」「体調で気になる点があるが、これを与えて大丈夫か」などに、情報提供できるとより良いですね。
具体的にはこんな知識を持っていると便利です。
◎犬と猫の体に適した栄養バランス
◎犬と猫が消化吸収しやすい食材の加工法
◎総合栄養食をうたう場合の必要栄養素量
◎この食べ物でサポートしたい体質や年齢に合った食事内容
2)「ペットフード安全法」の知識
犬猫向けの食べ物を製造販売する際、「ペットフード安全法」という法律を遵守する必要があります。
例えば、
◎パッケージには何をどのように表示する義務があるか
◎製造業者として法的に追う責務は何か
◎添加物や農薬の含有基準はどうなっているか
などのルールを熟知し、それにあった品質表示や、製造販売業者としての届け出などが必要です。
これは、「販売した商品を食べた犬や猫の体調にトラブルが起きないようにするための最低限の基準」「万一トラブルが発生した場合、製造販売者が責任をもって対応する仕組みを機能させるため」に必要なものです。
3)「売れる」ための知識
飼い主様に、自分が作ったフードやおやつを買っていただくには、「その商品について正しい情報を伝える」「自分の想いを伝える」ということも大切ですが、
◎お客様(のパートナー)にどんなメリットがあったり、どんなニーズを叶えるものか?
◎また、なぜそれがいえるのか?
◎似たメリットを持つ他の商品との違いは?
などが伝わるとより購入してもらえる確率が高まります。
これを叶えるのは「お客様の購買心理を攻略し、売れる仕組みを作るための知識」であり、マーケティングと呼ばれるものです。商品の企画を立てる段階で考慮できていれば、販売がスムーズになります。
なお、商品パッケージや販売ツールに記載する説明文は、薬ではないため当然のごとく「薬機法」を遵守する必要があります。
4)人向けの食品と同様の衛生管理の知識
犬猫向け商品においては、品質に関しては3)の遵守だけでも法的にはクリアなのですが、今の時代、人と同様の衛生管理が行き届いた設備で製造することが求められています。
人の食品製造の場合、細かな法律や規制があり、それにのっとり品質を確保する必要があります。例えば、「製造場所」に関しては管轄地域の保健所の衛生基準に適合した設備(シンク以外の場所に手洗い専用の水道設備が必要、製造場所とお手洗いとの位置や距離の関係を整える、など)を用意する必要があったり、「食品衛生責任者」の資格が必要、などです。
一方、犬や猫向けの食べ物は、ペットフード安全法が2009年に施行されたものの、品質に関する法律や規制は人よりかなりレベルが低く緩い状態だといえます。ですが、飼い主様は、もし愛犬愛猫に与えた市販フード・おやつで体調を壊すようなことがあれば、人と同様の責任・保証を求める意識をお持ちの方が多いでしょう。
ですので、法的には規定が少ないものの、人の食品と同様の衛生管理、品質保証ができる体制を持っておくに越したことはありません。
いかがでしたか?しっかりと知識を得たうえで、ご自身が描く理想のフード・おやつの製造販売を叶えられるといいですね。
ペットフーディスト養成講座では、【1~3】に関して、以下のカリキュラムで知識を身に着けることができます。
・栄養学
・消化吸収の仕組み
・ペットフード
・手作り食
・薬膳
・価値の伝え方
(※当講座で「4)衛星管理の知識」 は学べませんが、会報誌やセミナーで一部情報を提供しています。)
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