ペットの食事と仕事 豆知識

『何を食べるか』の前に『ちゃんと消化・吸収されるか』を考えよう

ペットフードいろいろ

犬・猫オーナー(飼い主)さんは「どのフードがいいですか?」「何を与えればいいですか?」と【何を食べるか】を重要視する方がとても多い傾向にあります。


もちろん、【何を食べるか】はとても大切なことですが、それ以上に大切なのは、食べたものが【ちゃんと消化・吸収されるか】です。


どれほど栄養バランスがとれた食事や高品質な食材を食べても、消化・吸収されなければ意味がありません。まずは、犬や猫の消化・吸収の仕組みを理解することが大切です。

消化・吸収の仕組みって?

摂取した食事や水は、【物理的または化学的に消化される】⇒【栄養が吸収される】⇒【未消化物が便として排泄される】という流れをたどります。これらの役割を担うのが「消化器」です。

消化器は、口から肛門までのルート上にある食道・胃・小腸・大腸からなる「消化管」と、消化管に消化液を分泌する「消化腺」で構成されています。

【1】口

口は食べ物が最初に通過する入り口で、食べるための構造が備わっています。
咬むための歯、食べ物を運んだり味を感じたりする舌、唾液を分泌するための唾液腺などです。食べ物は、口の中で唾液と混ざり食道を通過しやすくなり飲み込まれます。

【2】食道

食道は口から胃へと食べ物を運ぶ細い管状の器官です。
食道には筋肉の層があり、この筋肉が食道の中に入った食べ物を胃の方向へと押し進めます。

【3】胃

食道を通り入ってきた食べ物は一旦胃に蓄えられます。胃は伸展性があり、食べ物を保管するということも胃の1つの役割です。また、分泌される胃酸と混ぜ合わせられ、胃液に含まれる消化酵素ペプシンによってタンパク質の最初の消化が行われます。
その後、胃内の食べ物は腸が消化吸収できるように少量ずつ小腸へと送り出されていきます。

【4】小腸

小腸は十二指腸・空腸・回腸の3つからなる、消化と吸収を行う臓器です。

【5】大腸

大腸は盲腸・結腸・直腸の3つからなる、水分の吸収や糞便の貯留を行う臓器です。

 

消化に大切なもの

多頭猫食事中

このように、食べたものは、各器官を通り消化・吸収されるのですが、消化には2種類あります。

■物理的消化:食物を砕いて細かくしていく作業です。口の中で咀嚼したり、胃の中で撹拌したりすることをさします。
■化学的消化:血管を通るほど小さい分子にするために、化学的に細かく「分解」することです。このとき必要なのが消化酵素です。

また、栄養素ごとに、必要な消化酵素と分泌される場所は違います。

消化酵素と栄養素


消化器官の健康が全身の健康につながる

食べたものを身体に取り込むための消化器官を健康に保つことが、全身の健康には不可欠です。そのためには、これらが大切になってきます。

・ストレスをかけない、もしくはストレスケアをしてあげること
・その日の体調に合った食事をすること

以上のことをふまえ、パートナー(愛犬愛猫)の食事について考えてみてはいかがでしょうか。

 

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